vol.1『たたかう』

戦う、闘う。いずれも「たたかう」ですね、日本語読みは。

ただし、意味合いは大きく違います。

これをアスリートの行動に照らし合わせて考えると非常にわかりやすく、
ネガティブにスポーツ(競技)を捉える必要など全くないことがわかります。
よくテレビやネットなどのメディアなどでは間違って使われていることもありますから、
指導者の皆さんは注意が必要です。

コロナ禍において20年から21年の2年間、そこかしこから
「十分なトレーニング環境を確保できなかった。」
という言葉や発言を耳にしました。

特にシーズンオフと緊急事態宣言時が重なったこともあり
チーム全体でトレーニング環境を整えることが厳しかったですね。
ましてや全国大会が延期中止になり「引退」を控えた最上級生は悲しい時間を過ごしたと思います。

そこで大きな役割を担うべく登場するのが指導者の皆さんだったんです。
皆さんなんです。
ここでようやく「戦う」と「闘う」の意味合いを正しくとらえることで
アスリートの成長に繋がるということに言及できるのではないかと考えます。
まず二つの「たたかう」をわかりやすく英語にしてみましょう。

「戦う」は”いくさ”即ちWAR(戦争)です。
どちらかの国や地域や人種が相手をやっつけたとしても後には「悲劇」しか残りません。
次に「闘う」はどうでしょう、これは”競い合い”即ちFIGHTです。
ここでの「競い合い」とはもちろん自分自身とです。

戦は敵、競い合いはお互いの目標、ここを正しくとらえることでコロナ禍のシーズンオフに取り組むべきトレーニングが見えてきます。
特に接触を許されるハンドオールにおいてボディコンタクトをトレーニングに組み込めないとなると
トレーニングプログラムを考えるに少々厳しい………と思いがちですが果たしてそうでしょうか?

例えば、フラットなDFシステムだろうがDFラインを上げるシステムだろうが、
各ポジションの克服しておくべきスキルの中には1:1の場面で後れを取らないための
「間合い」
を習得しておくことが必要です。

この「自分の間合い」を掴むためのトレーニングプログラムには
「ノーコンタクト」
がキーワード(選手によってはキラーワード)になるものが多く存在します。
数人、ボール一つ、短時間高強度、どのDFシステムにも対応可能、となればやるべきトレーニングですね。

アスリートとチームパフォーマンスのレベルアップには必要不可欠のようですよ。
他の局面いずれもこのような取り組みをしておくべきでしょうね。

コーチングスタッフはトレーニング環境に応じてTPO(時間、場所、目的)を考慮してよりベターなプログラムを準備する、
アスリートは「身に付く」まで取り組む、コーチもアスリートも自分との「闘い」に負けるわけにはいきません。

大記録達成後のインタビューに「目標は次の打席でどうヒットを打つか。」byイチロー
(高校寮生活、365日3年間毎晩15分素振りを欠かさなかった。)

勝ったことよりも、どれだけ闘ったか。
必要なのはFIGHT。 by クーベルタン
(人生で最も重要なことは「闘う」ということ。)

くれぐれも WAR と FIGHT の捉え方を間違えないように!

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