【ESP:SWE】
いつもスペインの試合を観るといろいろな局面が当たり前にみえる不思議な感覚になる。この試合を観る限りは新旧交代もスムーズに進んでいるよう。日本のコーチの方たちには特にオフェンス局面のPVの活用をみてもらいたい。カネラスやマケダのような強烈なバックPは存在するが、やはりうまいPV&Wingの存在は大きい。スウェーデンも効果的なポジショニングと素早いパス交換が利いているうちはいいが、両ウィングへの展開が少なくなると難しくなる。2連覇を目指すスペインも優勝候補の一角だろう。
【NOR:RUS】
ノルウェー・オサリバン、ロシア・ジトニコフの両センターバックの競い合いに着目してみたが、軍配はどうやらジトニコフに上がったようだ。ただオサリバンの攻守に渡る献身的なパフォーマンスも汗のかき方に表れている。スポーツに“たら&れば”は禁物というが、ロシアのバックP陣とディフェンスのセンター4枚がアスリート的にフィジカルコンディションを上げる、と想像してみると1990年代を席巻した強国復活が果たされるかも。個人的には期待したい。
【MNE:SLO】
スロベニアのブラニエスもこのところのユーロでは思うような結果が出せていない。この“バルカンダービー”は試合の攻防とは別な攻防に少し期待したが、スロベニアの元気の無さが非常に気になった。結果この試合がメインラウンド進出の明暗を分けた。モンテネグロ・ブヨビッチ、GKシミッチらの大活躍でメインラウンドを射止めた。(どうやらメインラウンドでもクロアチア撃破模様)、特に攻撃の“徹底さ”は見事。再現性などと簡単に表現できない泥臭さがあり、とにかくしつこい。これもまた、ハンドボールの醍醐味。代表チームの強化はそれぞれの国によって違いはあるが、短時間での準備を強いられるなか、見事な“徹底”ぶりである。
【ISL:HUN】
ホスト国の予選リーグ敗退という残酷な結果。そもそもオープニングマッチの躓きが全てだったか。見どころ一つ、世界屈指のPV・バンヒディをアイスランドがどう抑え込むか?結果抑え込めなかった。ただしプライドを持って自分たちのシステムを貫き通した。Wing含めて。コーチの皆さんに2つのポイントを、両チームの攻撃が非常にわかりやすく特徴的。ハンガリーはバンヒディ筆頭にPVを絡めた2:2から、アイスランドは若干22歳のセンターB・クリスチアンソンらのスピード&フェイント力を駆使、両チームとも的確にプラスワンをクリエイトしている。二つ目アイスランド最後のタイムアウト、パルマソンンのリーダーシップ。こんな選手をコーチの皆さん育てて下さい。ただ、グッドムンドソン監督も大したもの。チームにとってベストの選択は自分が引くこと、ゆえに名将たる所以か。