過去の国際大会で優勝やメダル獲得などの成果を挙げている国は多い。それらほとんどの国は特別なプロジェクトを組んだり、従来あるシステムの見直しを図り、代表チームの強化に尽力してきた。その後の世界的な順位はそれらの遺産を如何にあるいは常にバージョンアップ、時にはブラッシュアップさせながら国力を維持し続けている国が上位に位置していることは事実である。
スペインは国内リーグに各国のトッププレーヤーを招集し自国のアスリートと世界トップとの接点を作ることと国内リーグの盛況を同時に達成した。対してブンデスリーガ有するドイツはあまりにもエンターテイメント性を重視したため若年層の育成にいささか手間取り、リーグの盛況と代表チーム強化のバランスを欠いた。ポーランドはドイツで開催される世界選手権に向け、代表監督であったボクダン・ベンタ自らがフレンスブルグのコーチとなり各国のアスリートの情報収集、併せて代表選手クラスをブンデスでプレーさせる強化方法をとり見事準優勝したが、あくまでもボクダンの特別な強化プロジェクトであったため、「持続可能な強化」とはならなかった。フランスは他競技(ラグビーやサッカーなど)がうらやむほどの発掘システムがあり、それこそ全国津々浦々まで中央からの情報が届き、中央へ地方の情報が送られる。このように国によって様々な強化プロジェクトやニューシステムを駆使しながら時には世界の変化に柔軟に対応する姿勢を見せつつ国力を保持し続けている。
そこで日本だが、どうだろうか? 「ナショナルトレーニングシステム」「全国キャラバン」「ナショナルアカデミー?」また各カテゴリーの全国大会など様々な取り組みがなされているが、機能的に運用されているかどうかは少しばかり「?」が付く。JHA強化部が刷新されこれらの活動を”プロジェクト”から”システム”に昇華させ持続可能な強化体制を構築されるよう大いに期待するところである。