1998年頃から日本オリンピック委員会(JOC)で、競技間の枠を取っ払ってアスリート強化並びにコーチのレベルアップを目的にプロジェクトが実施され始めた。球技系、ネット型、格闘型、芸術系、などなど、各競技団体の現場のコーチや強化本部が情報交換を頻繁に行ってきた。その中でも最も早く立ち上がったのが球技サポートプロジェクトであった。メンバーは「錚々たる」とだけ書き記すが、競技については、サッカー・ラグビー・バスケット・ハンドボールの4競技。私は当時強化委員長をされていた蒲生さんに「代表チームの活動について諸々発言してほしい。」ということでプロジェクトメンバーに名を連ねることになった。
さすがに「錚々たるメンバー」との会議の疲労度たるやシンドイ。他の競技団体現場トップの方たちの「気概」に圧倒され皆さんの話にどんどんのめりこみ、「代表として世界と闘う。」ということ、自分が携わる競技に対して人生かけるということ、とか。2時間ほどの会議の経過ははやく、本当にシンドかった。このプロジェクトは2000年4月に湧永に戻るまで参加させて頂きその後斎藤氏、栗山氏に引き継がれ、現在の情報科学委員会の設置、多くの世界大会に分析班を派遣するまでに発展していった。
これは一つの例であるが、JHAの今後の発展を考える場合、医科学・情報科学・人事・マーケティング・メディア・コーチング・一貫指導・スポーツ心理、JPNマネジメント、IT、 国際、様々な活動分野において、手本や好事例は海外ばかりではなく、身近にも存在している。
繰り返しになるが、肝心要なことは「気概」である。
『変えることがむつかしいことを変える』 — 岩渕健輔