【POR:ISL】
なんと言っても驚かされるのは、アイスランドのディフェンスシステムである。ただのフラットな6:0DFだと思うべからず。攻撃力のあるバックプレーヤーやタフなピボットを相手にするには“不利”と捉えられてきたシステムだが、競技が進化しルールを正しく運用されるということになると間違いなく可能になるシステム。ただしフィジカルコンディションはかなりの質的向上を求められる・アイスランドの選手たちの機動性を見ると納得せざるを得ない。ひょっとするとグッドムンドソン監督は、現代ハンドボールに警鐘を鳴らすため、敢えて喧嘩を売りに仕掛けてきているのか?昼でも氷点下でありオーロラの見える国ではあるものの、国を挙げて競技に挑む「熱」を感じずにはいられない。となるとGKグスタフソンから矢のようなワンパスでゴールということが至極可能になる。
【FRA:CRO】
アバロ、ギグウ、ルカ(カラバティッチ)、レミリ、らを欠いたとしてもこのパフォーマンス。自国開催のオリンピックを控え、2014年の優勝から遠ざかっているEUROは欲しいタイトルだろう。この試合、ルカの穴を埋めるコナンの頑張りが印象深い。特にディフェンスでの運動量は特筆もの。攻守切り替え時の統一感は抜群である。やはり優勝候補の一角は担うんだろう。対するクロアチア、相変わらずのクコッチは頑張っているが、この大会は新旧交代がうまく運ぶかどうか、今後のクロアチアを探る意味でもいつもと違ったEUROになるのではないか。レジェンド・バリッチもさすがにスタッフとなると出番がなく、イエローカード1枚では少し大人しすぎやしないか?
【CZE:SWE】
なかなか評価の難しい試合。双方緊張感はあったと思う。メインラウンドへの重要な試合だったので。その割にはミスも多く、“質”としては高いといい難い。とはいうものの、攻撃局面の1:1の強さ、シュートの打ち方(打ち抜くコース)などは参考になる部分が多い。
シュートフォームなどはすぐに真似ることはできないまでも、シュートを打つまでにどのように動き出しているか、意識を変えるだけですぐにでもトライできるものである。
スウェーデンはパスの正確性、継続性が高まらなければなかなか最終日までに残るのは厳しいのではないか。
【NED:ISL】
ナイスゲーム。ハンドボールの醍醐味が散りばめられた素晴らしいゲームだった。オランダに不運だったのは後半途中にピボットを使わずバックPのアタックに固執し過ぎたこと。ディフェンスでは1:1の局面で後れを取った時間が長かった。いずれにしてもほんの僅かな差であったことは間違いない。スピーディーな攻守の切り替え、ミスの少ない個人スキル、GKの踏ん張り、一体感のあるチームプレー、ビデオ判定のタイミング、世界トップの大会であってもここまでのハイクオリティーなゲームはなかなか見ることができない。