vol.20『Sports Integrity』とやらの確保は如何に?

遵守が賢明。車体を辞めて大きな環境の変化というと、各地の指導者の方たちと出会うようになったことがある。指導者講習会やJSPOのコーチ資格取得研修などである。その中でとりわけよく取り上げられている言葉に「Integrity」なるものがある。とりわけ東京OG前からスポーツ界では「不正防止」「コンプライアンス」「ガバナンス」などと同じタイミングで使われてきた。日本語訳は「健全性」「高潔性」とかのようだが、どれも正確な訳ではないらしい。ただし、言いたいことは十分に伝わっているものだと思う。これはコーチ研修などではコーチング実践の際に用いられることが多く、経験則だけの指導にとどまらず競技者たちと日々向き合う中で、より正しく学び正しく行動することが望まれる、体罰やハラスメントで一時的に結果が出たとしても競技者の将来にはつながらない、というようなことになるわけだ。今の時代、正しく行動することが時には「負」ということになることもある。とりわけ勝負の結果が「必要だが全てではないもの」とおかしな結びつきをした場合尚更である。今年ほどスポーツがそのような災禍に見舞われた年もないだろう。(今もその真っ最中かもしれないが😂)選手には「喫煙するな」というコーチが真っ先に試合後喫煙所へ。施設利用のルールはしっかり守れという担当者が守らない。論が立たないリーダーほどハラスメントを正当化する。アンチドーピング活動(「PlayTrue」の推奨)はその最たる防衛策の典型だと思う。スポーツ活動に重要な要素である「人材・資金・物資・情報」に絡ませて考えると理解しやすいかもしれない。ただ少し幅広く考えて貰いたい。これは何も「指導者しっかりせい。」ということだけではないと考えられないか?「Sports Integrity」を理解・実践することが指導者たちの安全を確保するという視点を持つという意味も含んでいないだろうか?含んでいるはずである。私の周りでは指導者が旧態依然とした活動(Integrity不勉強)により職を失うケースを何度も目にした。誘導された上に「証拠」を突き付けられ身を引かざるを得なくなった場面にも遭遇した。指導者にとってはなかなか多難な時代ではあるかもしれないが、スポーツにとっては「Integrity」に意識が向き始めたことは大きなチャンスでもあると思う。この国にスポーツの必要性を説くビッグチャンスである。東京OGでは欧州から学び続けてきたスポーツを「日本流」に進化させた姿を世界に披露してくれるものと期待していた。コロナによりPRする場を失ったが、ここはひとつ敗者復活といこうではありませんか。まずは指導者の皆さん、「コーチに貴賎なし」ということでSports Integrity実践を。今からの積み重ねがひょっとすると将来の日本を救うかも。 次号に続く…

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