vol.13『練習強度』 ”HIGH INTENSITY”

学生時代はよくトレーニングしましたね。チーム全体のトレーニング時間が終了しても後輩を巻き込んで(当時は「パワハラ」というものは存在しなかったと記憶している。)
ただ、合宿というものはあまりなかったように思う。もちろん夏休みなどは午前午後だったりもしたが。
医科学が進みハンドボールのトレーニングの組み立て自体も大きく様変わりしつつある。年間計画は期分けを念頭に、週・月ごとにも山を作るように、ということなんだが。日々のトレーニングにも諸々の工夫が必要であるのは言うまでもない。そこに監督・コーチ・スタッフらのオリジナリティーが盛り込まれると試合のないオフシーズンの地味な反復トレーニングも楽しくなるというもの。
そうは言うものの、ここで一つの課題にぶつかる。個々のアスリートとチームの全体トレーニングとは必ずしも同じではないということが言える。ハンドボールは団体球技だから10人を超えるアスリートが一堂に会して行われる。なかにはただトレーニングに来るだけって輩がいるのも事実でスキル自体に差があるのも致し方なし。そうなるとチームトレーニングに個人スキルアップのトレーニングを組み込むことはなかなか難しい。そこでコーチングスタッフが知恵を絞るべき仕事が待ち構えている。
毎日同じトレーニング、長時間、大人数、低頻度、このような状態を避けるためにコーチングスタッフ全員が努力しなければならないのは自明の理。短時間、多頻度、高難度、による高強度のトレーニングを組み立てることが重要になる。更にアスリートがフルコンセントレーションできるように(したくなくても)導線をうまく設定、体力的な山場を考慮し工夫することで動けてしまう仕掛け、導入から最終段階まで順序を「わかりやすく」考え易く、最終局面では難度を最高潮に高める必要がある。
2015年ラグビー日本代表が南アフリカを倒した奇跡の裏には「科学的スパルタ」トレーニングが存在した。日に4回のトレーニングセッション。1回のセッションは70分程度だったそう。ただし、トレーニングはすべて「HIGH INTENSITY」高強度で行われた。(選手たちからは「二度とやりたくない。」とも)
簡単なことです。アスリートを休ませないように「仕掛け」をうまく設定してみると面白い。間違いなく短時間・多頻度・高難度、になるはずです。そうすることによって実は個人スキルをアップするための「自主トレ」という奇跡の時間確保に役立ちます。

ちなみに私が代表監督の時は、9:00~11:30、15:00~17:00、18:30~19:30、といった感じだったでしょうか。 代表メンバーには常々「皆のことは愛してるよ。」と必ず伝えていました。
ただ伝え方が拙かったのか、「アイツは鬼畜だ。」って言われてもいたようです。
大きな誤解だったんだが…..

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